ごきげんよう、おひとり様セミリタイア中のヤモリです。
とあるきっかけから「仕事の意味や目的を聞くと嫌がられる空気」ってあるよなーと思ったことについて書いています。
いらなくなった仕事がゾンビのように生き残ることがある
先日、後輩の仕事について相談を受けました。
後輩は二年ほど前に先輩から仕事を引き継いだものの、それがどういった役割や目的を果たすものなのか正確にはわからず、毎週同じ内容のファイルをアップロードし続けるという作業に疑問を感じて聞きに来てくれた様子。詳しい話を聞こうとすると、どうも6年ほど前に私が設計したシステムを利用していると言うではありませんか(ファイル名を聞いても全く覚えていませんでした)。
私自身が作ったものを誰かに引継いでいるならマニュアルなり要件メモなりが残っているはずだと思って後輩に尋ねたらやはりいくつかのファイルが残されていました。それによるとこれは数種類のサービスについて効果集計を一括で出来るようにするためのシステムで、その前準備としてマスタとなるファイルを必要に応じてアップロードするというのが後輩に引き継がれた業務内容でした。
しかし、そのメモに書かれた対象サービスを見る限り半数は6年の間にサービス自体が終了していました。残りの半数も集計結果をまとめたファイルの更新が止まっている様子。最後の更新日付は2年前です。つまりその前準備である後輩の仕事も2年前には必要なくなっていたことになります。当時は前準備と効果集計は同じ人の担当でしたが、どういうわけか効果集計はなくなったのに前準備の業務だけが後輩に引き継がれていたらしいことがわかりました。
利用状況についての確認を取ってから後輩とも話し合った結果、このお仕事は終了となりました。
後輩は2年も無駄なことを続けてしまったと嘆いていましたが、私からは「今、気づいたから終止符を打てたんだよ!お手柄だよ!」と精一杯の励ましを送りました。
繰り返される悲劇
実は、こういうことは今回が初めてではないんです。
仕事柄、業務の効率化や自動化について相談を受けることはちょくちょくあります。その度にその人がしている業務の流れや目的を整理しなおすのですが、途中で実はもう不要になった仕事を何年も続けていたという事実が発覚することはまれによくあることです。
忙しさのせいか自分が毎週やっている作業の意味や目的を知らない、あるいはその後どうなったかまでは感知しないという人はかなり多く見受けられます(IT企業は特に多いかもしれません)。
15分程度の作業ならまだしも、毎週5営業日のうちの1日をかけて作った「成果物」が、実はただ放置されているだけと知った時の担当者の表情は直視するのもつらいものがあります。
「仕事の意味や目的」を知ろうとすると嫌がられる
私自身は何の目的でこの仕事をするのか、その後どんな風に役に立ったのかが気になる性分なのでわかるまで調べます。ですが、そういう時仕事の意味や目的を聞くと嫌がられるという体験をすることがあります。
まだ私が新人だった頃の引き継ぎ業務で、中身の同じファイルを2つ用意するのに一つはパスワードをかけてもう一つはパスワードをかけないというのがありました。「同じファイルなのに扱いが違うのはどうしてですか?どんな意味があるんですか?」と尋ねてみたら、
「… … それ聞いてなんか意味あるんですか?」
と冷たくあしらわれたことがあります。
結局他の人に聞いて回ったので謎は解けたのですが、仕事の意味や目的を聞くと嫌がられるというのは当時の私にとってかなり衝撃的なことでした。しかもそれが決して珍しい反応ではないということは後々理解していくことになります。もちろん、仕事の意味を聞かれることを嬉しいと感じて教えてくれる人もいましたが少数派でしたね。
最近は聞く側から聞かれる側になってそういう体験もしなくなったので久しく忘れていましたが、この「仕事の意味や目的を聞いてはいけない雰囲気はどこから来てるんだろう?」と常々不思議に思います。
何かの文化的理由で聞いてはいけない雰囲気があるのでしょうか… …空気が読めない私には難問のようです。というか聞きたいと思っている人がいても、こんな塩対応にあっていたら聞けなくなっていくのも無理はないよなあと思うヤモリでした。
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コメント
簡単だよ答えるだけの知識がないからだよ。
ブクマコメントでもいただきましたが、知らないからではないかという意見が大半ですね。
それなら「わからない」「気にしたことがない」って言えばいいだけでは?と思っていましたが、ああなるほど。私が『新人だったから』ですね。古株になった今だからわからないことをわからないと言ってもらえるようになったんだなと気づきました。ありがとうございます。
意味のないような仕事でも他人の利害がジェンガのように複雑に絡み合ってますので、
ヤバいピースを抜いて効率化なんて考えるより無難に次にパスってなりますよ。
合成の誤謬みたいなことも往々にして起こりますし、
新卒のアンちゃんがドヤ顔でマクロって顰蹙買うパターンやら、
綺麗にゴミ掃除して掃除のオバちゃんが首になったりなんてよくある話じゃないですか。
綺麗にゴミ掃除してクビになるおばちゃんの例が本気でわからなくて考え込んでしまいました。
多分、綺麗に掃除すると掃除の頻度が少なくてよくなるので売り上げにつながらないからということですね。
私も何も考えずに綺麗に掃除してクビになるタイプの人間です。
皆が自主的に綺麗に掃除をすると、掃除をする必要がなくなって掃除のオバちゃんの雇用が失わるというケースの事です。
日本の学生が給食後に自ら掃除をするのと、欧米の学生が食い散らかして掃除をせずに掃除のオバちゃんに任せるのとどちらが良いのかというマネジメントでは有名なジレンマです。
「綺麗にゴミ掃除」する人の主語が違ってましたねw
勉強になりました!