ごきげんよう、おひとり様セミリタイア中のヤモリです。
セミリタイアブログを書き始めてからずっと疑問だったことがあります。なぜ女性のセミリタイア者は男性よりも少ないのでしょうか?
その仮説について考えてみました。
セミリタイア市場には女性が少ない
女性セミリタイアブロガーはざっくり2割
最初に疑問を感じたのは、私も参加するブログ村ランキングを見た時です。セミリタイアカテゴリのブロガー男女比率は圧倒的に男性が多いんですよね。2021年9月26日時点のセミリタイアカテゴリINポイント1~50位中、女性は10名で約2割しかおりません(夫婦名義含む)。
じゃあ、総合ランキングやライフスタイルランキングはどうなのかとみてみると女性ブロガーの方が多いくらいなので、ブログ村が特別男性比率が高いというわけでもなさそうでした。
一応全体のブログ開設者の男女比率も調べてみましたが、それでも男性ブロガーが57%なのでセミリタイアカテゴリで80%の比率になる理由は見つかりませんでした。
参照:https://www.soumu.go.jp/iicp/chousakenkyu/data/research/survey/telecom/2009/2009-02.pdf
(平成 20 年 2 月 15 日(金)~18 日(月)の 4 日間 、回答件数2,351 件、15 歳以上のブログ開設経験者の男女年代別比率の割付に基づき回答を得た)
セミリタイアブログの読者比率も男性が7割
ちなみにセミリタイアカテゴリから来訪するこのブログの読者も約69.34%で男性が多いです。(私はおひとり様カテゴリにも登録しているのでトータルでは男女半々くらいになっていますが)ブロガーだけでなく、読者層を見てもやはり女性が少ないことは否めません。
正確な統計を取ったわけではありませんが、セミリタイアに関心を持つ女性は男性よりも少ないと言えそうです。
Q:女性はセミリタイアに関心がないのか?
セミリタイアの根幹たる「労働から解放されたい願望」でいえば、男女差があるようには見えないというのが私の体感です。どちらかと言うと世の中の労働時間は男性>女性だし、「女性は働くのが好きだからセミリタイアになんて興味ないわ」なんてことはないはずです。セミリタイアに重要な節約生活や財テクだってどちらかというと主婦となじみが深い気がします。
「じゃあなんで女性が少ないんだろう?」というようなことを考えながらぼーっとキャベツを刻んでいたらうっかり指の皮までスライスしてしまったので、ちゃんと仮説を立ててみることにしました。
仮説1 セミリタイア資金が貯めにくい
まず、思いついたのはセミリタイア資金を貯める難易度の差です。
女性も働くのが当たり前の時代になったとは言え、年収では常に女性は男性を下回っています。数千万円ともいわれるセミリタイア資金を貯めるうえで、後れを取っているのは間違いありません。

上記は男女の年収および貯蓄残高が年代順になったものです。
男女の年収差は30代未満で65万円だったのが、113万円、158万円、220万円と世代とともにどんどん開いていっています。年200万円も年収の差があったら貯めにくいのはもっともです。
しかしながら、貯蓄年収比は女性の方が圧倒的に高いのでこれは自炊などのやりくりによるものだと推測。結果、貯蓄現在高は40代、60代では女性が男性を上回るなど、年収ほど極端な差は生まれていません。
年収差はセミリタイア難易度の一因ではありそうですが「決定的か?」と言われると怪しいです。
仮説2 セミリタイア後の生活資金の違い
男性と女性ではセミリタイア後の生活費が異なるのでしょうか?
当初私は自分が気づいていない女性特有の出費を何か見逃しているのではないかと思っていろいろ調べてみたのですがそうでもないようです。
yahooニュースからの引用で恐縮ですが、総務省が2021年5月11日に公開した「家計調査 家系収支編 2021年1月~3月」のデータによると一人暮らしの生活費は男性よりも女性の方が少なくなっています。
男
・平均:15万2490円 ・~34歳:13万3644円 ・35~59歳:17万2708円 ・60歳~:14万5689円(うち65歳~:14万6371円)
女
・平均:14万5111円 ・~34歳:13万2620円 ・35~59歳:16万5147円 ・60歳~:14万2007円(うち65歳~:13万4565円)
もともと女性の方が男性よりも収入が少ないことの影響はありそうですが、女性だから老後生活費が特別高くなってしまうというわけではなさそうです。確かに生理用品だったり化粧品だったり女性だからこそかかる出費はありますが、その他の費目でやりくりできないような金額でもないのでしょう。
仮説3 女性セミリタイア予備軍は婚活市場に流れるか
ここまで考えて思い当たったのが、女性のセミリタイア予備軍が「婚活」市場に流れている可能性です。年収の差の原因が待遇の格差なのかそれとも労働時間がそもそも違うのだろうか?と考えたことで、女性の結婚後の労働時間の変化に気がつきました。
そう、女性には短時間労働を現実にするための手段として「セミリタイア」ではなく「結婚」という選択肢が古来からあったのです……!
以下、ソース(下で要約しているので流し見でOK)。
結婚を機に女性の労働時間は減っていく(表向きは)

短時間雇用者に占める女性の割合は8割以上

共働き世帯の妻の「仕事等時間」は4時間~4時間20分で、夫の5割程度

3つの表からわかることは、女性は結婚後にフルタイム→短時間労働に変わることで労働時間が夫の5割程度にまで減っているということです。
もちろん家事・育児の負担は増えているのであくまでも「表向きは」ですが、実際に婚活している女性の話を聞いていると「結婚後はフルタイムを辞めてパートとかの楽な仕事に変えたい」という人はいます。実体はどうあれ、結婚により労働時間を減らせると考えている女性は多そうです。そして何よりセミリタイアよりも世間からの理解が得られやすいのもメリットです。
つまり、長時間働きたくない願望を叶えようとしたとき、男性はセミリタイアしかないけど、女性はまず第一候補に結婚が挙がるからセミリタイアまでたどり着かないのではないでしょうか?
ちなみに女性のうち生涯独身でいるだろうと考えているのは8%で少数派でした。
具体的な数字は省略しますが、実際に男性よりも女性の方が結婚のハードルは低いようです。世間的に男性側に短時間労働になる妻を支えていくだけの資金力が求められるからかもしれません。対して結婚後に仕事を変えようと思っている女性は、最初の結婚資金さえ乗り切ってしまえばいいので、セミリタイアに必要な何千万円もの資金を貯めるよりもずっと現実的な選択肢だと言えます。
関連リンク:仕事と家庭のあり方|男性にとっての男女共同参画 男性は仕事、女性は家庭という考え方について
まとめ
セミリタイアカテゴリに女性が少ない理由は、女性はセミリタイアよりも資金的・世間体的にハードルが低そうな婚活に流れているからというのがここまでの仮説です。
もっと早く気が付いてもよさそうな考察ですが、私自身は婚活に興味がなさ過ぎてこの可能性になかなか思い至りませんでした。
割といい線いっている仮説のような気がするのですが、どうでしょうか? 3000字も書いてしまったのでご意見いただけると嬉しいです。
以上、ヤモリでした。
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人気連載:セミリタイア資産3500万円が貯まるまで⑱「恋人ができました」
関連リンクにほんブログ村 ライフスタイルブログ セミリタイア生活
コメント
実際ブロガーでもセミリタイア?主婦じゃないか?みたいな感じも多いしな
はじめまして。
いつも楽しくブログ読ませていただいています!
2割の少ない女性セミリタイアの私も
常々女性の割合が少ないなあ〜と感じています。
女性の平均年収などを考えると
自分の稼ぐ力でFIREするのはけっこう厳しいし、誰かに養ってもらう方が安心で楽だとは思います。
フルタイムでガンガン働く女性なら、男性と同じようにセミリタイアしたいと思う人も多いと思います。
はじめまして。
全くその通りだと思いました。
最近、悪い意味でちょっと気になるのが、既婚女性のFIREやセミリタイア扱ったブログです。
もちろん、モノにもよりますが、中身読んでいると、アラサーで2000万とか3000万でリタイアしました…なんて言ってるのとかありますよね??
ああいうの見ると、正直…
生活資金を旦那に依存してない?
結婚して主婦化しただけなのでは?
ブログに「セミリタイア」って入れて小銭稼ぎたいと思ってるだけなのでは?
なんて勘ぐってしまいます。申し訳ないですが…
はじめまして。
面白い考察ですね。
今のところは「主たる生計維持者」の地位にある女性が少ないことが女性セミリタイアラーの少なさにあるかもですね。
あとは、女性についてはセミリタイアしていてもブログを書かないとか。
はじめまして
女性はセミリタイアより婚活に流れるは正しいと思います。子供を産みたいと思う人も多いのではないでしょうか。また、婚活そのものも市場で見ると女性のが少ないので男性より成功しやすいという要素もありますね。
後、もうひとつ言えるのがセミリタイアなのか専業主婦なのか区別が付かないというのもあると思います。例えば、夫の扶養内でパートで年収100万以内に抑えている人ってセミリタイアとも専業主婦ともどちらとも言えてしまうのではないでしょうか。そして世間体としては専業主婦のが受けがいいしセミリタイアと言う必要性も低いとも言えそうですね。
トークニズム的な論考になりますが(少数派が性別などの属性ではなく個人として評価されるようには閾値が30パー以上必要という考え)
ヤモリさんが仰るように仮にリタイア女性が2割だとすれば、
多数派のリタイア男性たちは、男性特有の集団としてのロジックとか最適解みたいなものを拠り所に暗黙に同一性を高めます。
そこに少数派のリタイア女性が加わると、自分たちとの違いを意識するようになり境界線を探ります。
したがって、予備軍を含め多数派の立場にいる男性クラスタは、女性クラスタの言動や結果を、個人としての成果と捉えるのではなく、
「旦那の稼ぎがよい」「主婦だから」などと性別に関連づけて評価しがちになります。
こうなるとリタイア女性は暗黙の圧力から、目立たないように男性リタイアマンと同じような言動をおこないがちで、
今度は同性から「自分達とは違う」と異分子扱いとなります。
この段階で叩かれたりブログでまで他人に迎合するくらいならブログなんてやらないほうがマシとなる方がほとんどでしょうから、
女性リタイアブロガーが少ない遠因にもなっているかと思います。
変に日和らずに叩かれるの承知でFIRE芸人として突き進む某女性はある意味正しい選択をしてますよ、賢いです。
自力で資産構築して、表1を見た瞬間に「やっぱ女性は稼ぎが少ないよね、ふ~ん」と短絡的にならずに、
反証可能性の有無を確かめ、既婚者や非正規バイアスに辿り着けるヤモリさんもまた賢いです。
逆にワタシを含め、社会不適合リタイアや小賢しいインデックス節約マンなんて女性が多数派のクラスタに入ったらボロックソに叩かれると思いますw
女性リタイアブロガーが3割を超えてくるあたりで本当の多様性が生まれるのではないでしょうか。
>dedsさん、Ritaさん、おまつさん、lunaさん、ゆうさん、TFさん
複数のコメントありがとうございます!
自分で呼びかけておいて、こんなにご意見を寄せていただけるとは思わなかったので驚きました。
じっくり読んでちゃんと返信したいので、仕事終わってからコメント返ししますね。
取り急ぎ、ご連絡まで。
確かに女性の方が給与水準は低いですが、周りを見ると女性の方が堅実にお金を貯めている印象がありますね。
なので単純に独身者が女性の方が少ないからだと思います。
既婚者でもセミリタイアをしている方は男女ともにいますが、女性の場合はいくら資産を持っていようが単にセミリタイアと見なされないからでは?
僕は単純なので資産を持った女性と結婚したいですがw
はじめまして。
年齢(ざっくり40歳以上と未満)で分けて考えると、以下と思います。
①男性(≧40歳)
職場でストレス大の立場。給料はそこそこあり、年金をある程度当てにできる。
⇒ 早期退職しても、気持ち的にブログを書く余裕がある。
②女性(≧40歳)
この世代は既婚者が多い。独身女性の場合、年金受給額に不安があり辞め難い。
⇒ 離婚・早期退職後、生活に懸念がありブログを書く気持ちになれない。
③男性(<40歳)
物欲は小さく、給料よりもプライベート優先。老後(年金)のことは遠い未来。
⇒ 勢いで退職後、時間があるので趣味の一環でブログを書く。
④女性(<40歳)
概ね③に近いが、男性に比べ群れたい(誰かと繋がっていたい)気持ちが強い。
⇒ 職場の不満で辞めるより、同僚と過ごす(遊ぶ)時間の方が楽しい。
・・・で、結果的に男性が多くなっているのではないでしょうか。
③vs④なら性差は狭まるかもしれませんし、10年後は更に狭まる気がします。
上記はステレオタイプ的な個人的偏見です。
もし内容で不愉快な思いをされた方がおられれば、すみません。
ヤモリさんと同じ独身女性でセミリタイアを目指している者ですが、今回の記事は非常に興味深く拝見しました。
男女でセミリタイア達成率が異なる要因について他に、①余命の男女差 ②将来に対する捉え方の男女差 の2つがあるのではないかと思いました。
まず①についてですが、仮に男女で年収差が無いとしても生物学的に女性は男性より10年ほど余命が長いため、その分生活資金が多く必要になります。
その為、セミリタイアしようとしても男性より資金が必要となる→セミリタイアが遅くなる→女性のセミリタイア者が少ない、となるのではないでしょうか?
②については、男性より女性の方が将来を堅実に見据える力がある(=貯蓄率の高さで示されている?)とすると、将来の諸々の事態に備えて、ある程度まで資金を貯めるまでは仕事を辞めたくない又は辞められない→セミリタイアが遅れる→セミリタイア女性が少ない、となるのではないでしょうか?
上記②の文が男性蔑視と捉えられるかもしれませんが、言い換えると女性の方が将来に不安を感じやすいという事ですので、良し悪しは一概には言えません。
あくまで独身女性の場合での仮説なので、既婚で経済的な後ろ盾がある女性では全く話が違ってくると思います。
同じ女性でも独身・既婚(1号)・既婚(2号)・既婚(3号)は置かれている状況が全く違いますし、子あり子なしで更に複雑化するので、その辺りを分けて分析するとまた違った要因も見えてくるのかなと思ったりします。
他のブログでもそうですが、「女性という枠でひと括りにされてしまうと何だかモヤモヤした気持ちになってしまうから。」というのもあります。
ハテブ含めて数々のコメントありがとうございました。
遅くなりましたが、以下返信になります。
>dedsさん
主婦(夫)のセミリタイアを巡る意見の割れ方も興味深いものがありますね。
後々「セミリタイア文化とはなんだったのか?」をふりかえる上で、外せないテーマになってそうです。
>Ritaさん
はじめまして。(初期のころからよくRitaさんのブログにお邪魔させていただいているので、あまりはじめてな気はしませんが笑)
まずは入金力が大きいですよね。
ガンガン稼いでいる人でも婚活中ならセミリタイアはなかなか名乗らないのかな。女性のセミリタイア仲間がもっと増えてくれるといいなと思います。
>おまつさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
既婚者の家計簿は二人分になってるから正確なことはなかなかわからないですね。
アラサーという年齢で何千万も貯めてたら何か裏があるのでは?!と疑ってしまう気持ちはわかります。
>lunaさん
はじめまして!コメントありがとうございます。
結局「給与支払い」という形で生活資金を稼いでいないと難しいのかもしれませんね。
セミリタイアしていてもブログを書かいていない線はありえそうです。シャイだからでしょうか?それともセミリタイア生活が充実しているから?気になります。
>ゆうさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
女性なら産みたい気持ちがあるうちはセミリタイア<婚活になりそうですね。
そして後半部分はかなりしっくりきました。多分、OR条件じゃなくてAND条件で、どちらも名乗れるならあえて世間に受け入れられにくい方の肩書を名乗る理由がないんですよね。
逆に男性がどちらでも名乗れる時は主夫<セミリタイアになる、ということかと。
>TFさん
FIRE芸人の某女性が誰を指すのかはわかりませんが(笑)、主婦がセミリタイアを名乗りづらい環境があるのはなんとなく察していました。もう少し数が増えて「女性セミリタイア」カテゴリができるくらいが目標かもしれませんね。
主婦(夫)のセミリタイアについては私も定義を考えてみたことがありますが、結局セミリタイアそのものの定義があいまいなこともあって答えは出なかったです。そもそもセミリタイアとパート労働者とたまに働く無職を切り分けるのさえ難しい(本当はどれも同じかもしれませんが)。
>カズさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
女性の貯蓄率の高さは数字にも表れていますね。
やはり、既婚だとセミリタイアとみなされにくい(あるいは名乗りにくい)ことが関係しているのは間違いなさそうです。
最後の一文は正直さが表れていていいと思いますw
>RMCRさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
おもしろい仮説だなと思いました(笑)
年齢が若い方がセミリタイアという価値観にオープンなのは同意です。世間体がセミリタイアも主婦(既婚)も同じくらい受け入れられるようになれば、女性セミリタイア者は増えそうですね!
>ネモ船長さん
はじめまして、コメントありがとうございます。
入れ違いになってしまい、失礼しました。
2つの視点は年収差や婚活とはまた違った視点で新鮮です。説得力もありますね。
「女性という枠でひと括りにされてしまうと何だかモヤモヤした気持ちになってしまうから。」はその通りですね。私も「女性」という大きな主語を使っておきながら、無意識のうちに自分と近しい独身未婚女性の場合を思い浮かべてしまっていました。ここは気を付けなければいけないなと思いました。