ごきげんよう、おひとり様セミリタイア中のヤモリです。
この記事は私が借金270万円から始まって未経験でIT業界に転職し、15年で3500万円を貯めてセミリタイアするまでを連載形式で書いています。前回はIさんからの告白を華麗にかわしたと思ったらいつのまにか次のデートのアポを取られていた。何を言っているのかわからないと思いますが私も何をされたのかわからない…というところまででした。その続きです。
初回:セミリタイア資産3500万円が貯まるまで①「マイナス270万円からのスタート」
前回:3500万円が貯まるまで⑲「告白させたのち断る」
Iさんと魔法少女
Iさんが営業歴10年であることを思い出した私は、ようやく昨日の敗因を分析できるようになっていました。おそらくIさんにとっては私の浅知恵など手管のうちにも入らず、なんならトラップを仕掛けられたことさえ気づかず一回戦目の白星をあげたのかもしれません。
不覚にも私の調査不足だったようですが、それでもバドミントンの約束は一か月以上先の日程を指定することができました。その間再び作戦を練り直そうとしたその矢先、Iさんが映画のチケットを二枚持ってきて朗らかに言いました。
「これ、今すごく人気があるみたいなので行きませんか?」
それは劇場版 魔法少女まどか☆マギカのチケットでした。

SHAFT TENより引用
思わず行きますと即答してしまった私を誰が責められるでしょうか?いや、責められるはずがない。(反語)
アニメ好きの方には説明するまでもないと思いますが、言わずと知れたアニメ界の名作です。すでに確立された様式美を持っていた魔法少女モノに新境地を開いたエポックメイキング的な作品であり、子供向けファンタジーを装ったSFとしても見ごたえがありました。かわいらしいキャラクターデザインなのに、度肝を抜かれるストーリー展開に夢中になった人は当時も今も大勢いることでしょう。今にして思うとアニメを「これから勉強」するような人の選択としてはチョイスが絶妙すぎて、誰かオブザーバーがいたのでは?と疑ってしまうほどです。
もちろん、映画もすっごく良かったです。
あ、でも初見で見るならテレビシリーズから入った方がいいですよ。まずは3話まで見ましょう。話はそれからです。
ティロ・フィナーレ
「映画、面白かったですね^^」
「もう、めちゃくちゃよかったです!」
思わず映画館を後にする時の会話にも華が咲いていました。もう細かいことはいろいろと置いといて楽しかったです。
こんな風にアニメの話ができるなんて地元を離れて以来何年かぶりでしたし、わかりやすいくらい興奮してはしゃいでいた気がします。正直、Iさんが「アニメの勉強をする」と言った時はその場限りのリップサービスくらいにしか思っていませんでしたが、こんな風に秘密の趣味を共有しあえるならこの人と付き合うのも案外ありなんじゃないかと思い始めていたことは否めません。
Iさんはおもむろにスマホを取り出してなにか操作を始めました。
フェイスブックの画面が見えたのでSNSで通知でも来たのかな?と思って横目で見ていると、Iさんは投稿したばかりのその画面を私にも見せてくれました。
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ティロフィナーレ~✨
TVアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』より引用
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Iさんは魔法少女(マミさん)の画像とともに、作中の決め台詞を自分のSNSに投下していました。
い や 、 ア ン タ 何 し て ん だ 。
Iさんの予想もつかない行動に言葉も出ませんでした。
確かにオタクバレを一時は覚悟してカミングアウトしていましたが、私が予期していたのはこういうことでなかった気がします。
ホラー映画の続きを見るような気持で画面を眺めていたらすぐにコメントが付き始めました。
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- これなに?アニメ? かわいい~
- Iさん、何してんすかwwwwwwwww
- Iさんってアニメみる人だったんですね。 早く言ってくださいよ笑
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「まどマギの映画見に来た😄アニメの面白いタイトルがあったら紹介して下さい」とIさんが返信するとまたすぐにオススメ作品の数々が寄せられてきて、にぎやかな通知音が鳴り響きました。
この後何の会話をしたかあまり覚えていませんが、帰ってからもSNSのことを思って私の心臓はキリキリと痛かったです。
翌週、出社すると週末にIさんとアニメ映画を見に行ったことは、当然みんなの知るところとなっていました。
Tさん「I君、昨日フェイスブック見たよー? アニメ見るならそう言ってよね。私オススメいっぱいあるんだから」
Oさん「昨日、フェイスブックに画像上げてましたね。魔法少女まどか☆マギカの」
Rさん「まほうしょうじょ……?」
Oさん「Rさん、まどか☆マギカです。魔法少女まどか☆マギカ」
Tさん「Oちゃんも見るの? まどマギ面白いよねー!」
Oさん「僕、こう見えてアニメ詳しいですよ」
Rさん「そういうのが今流行ってるんですか……? 私も見てみようかしら」
※Rさんは私の顔合わせの面接をした女性社員で非オタです。
職場で魔法少女という単語を連呼されることにライフがガリガリ削られていくのは私だけという状況にますます混乱していた次第です。
次回、『自分の好きなものを一生好きでい続けたい』。
続きます。
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(次でアニメネタが終わりますので非オタの皆様もう少し耐えてください)
初回:セミリタイア資産3500万円が貯まるまで①「マイナス270万円からのスタート」
次回:セミリタイア資産3500万円が貯まるまで㉑「自分の好きなものを一生好きでい続けたい」
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コメント
健全な職場ですね。まどマギだと10年位前ですね。
当時出入りしてた取引先に、まどマギラッピングの痛車で通勤するヤツとか、
職場のデスクにタマ姉フィギア置いてるヤツとか普通にいましたよ。
オタネタで盛り上がる我々を、赤文字系の女性陣が資本主義陣営を煽る将軍様の妹のような視線で見下しておりましたw
>TFさん
赤文字系を装った隠れオタクですが、将軍様の妹のような視線が想像できてしまいましたw
【以下ブクマの返信です】
>ゆめのさん
笑ってくれてよかったです!笑 もともと見た目や清潔感にはかなり気を使っている人だったので、生理的に嫌な感じはしなかったですね。
>こぞうたんさん
まさに一本釣りされました。あのエサにくらいつかないわけにはいかなかったんですよ…!
>なかなかさん
アニメオタクのカミングアウトにひるまないどころか、本人に隠す気が全くないのは予想がつきませんでした。