3500万円が貯まるまで⑤「仕事が楽しいなんて思ったことない」

セミリタイア資産3500万円が貯まるまで 挫折編 セミリタイア資産3500万円が貯まるまで

ごきげんよう、おひとり様セミリタイア中のヤモリです。

この記事は私が借金270万円から始まって15年で3500万円を貯めてセミリタイアするまでを連載形式で書いています。前回は新卒で入った会社を3年持たずに辞めて無職になったところまででした。その続きです。

初回:セミリタイア資産3500万円が貯まるまで①「マイナス270万円からのスタート」

前回:3500万円が貯まるまで④「新卒で入った会社を3年持たずに退職」

嘘をついて働いている振りをする

ところで、当時の私は自分が仕事を辞めたことを誰にも言っていませんでした。

親にも、恋人にも、友達にもです(職場の元同僚にはアルバイトをしていると言っていました)。

幸い親も恋人も遠方におりましたし、貯金がなくなったらそのまま人生をドロップアウトするつもりでしたので、わざわざ面倒くさいことにするよりこのまま黙っていようと思いました。時折来る電話には嘘をついて働いている振りをしていたわけです。

仕事どう?」の電話に「まあ、普通だよ」なんて返事をするたびに心臓がつぶれそうになりました。せいぜい2~3年の事だと思って嘘をつき続けました。途中で付き合っていた人にはばらしてしまったのですが、親には通算で2年以上無職になったことを黙っていました。なかなか悪い人間なんですよ、私は。

なので、当初はできるだけいつも通りを装って、知人からの飲みの誘いなども断りませんでした。ただでさえ収入がない中で楽しくもない飲み会に参加するなんて苦行でしかないですが、とにかく怪しまれたくない一心でした。

そんな時参加した異業種交流会的な飲み会で出会った人が、私の運命を大きく変えることになります。

仕事が楽しいなんて思ったことない

仕事ほど楽しい遊びはない」と、その人は言いました。

士業で独立して事務所を構えていた人で、従業員も何人か抱えていたようです。

「仕事ほど楽しい遊びはない」……ってどういうことだろう? 最初はその意味が分かりませんでした。

仕事はつらくて苦しいもののはずです。

日常の生活の糧を得るために耐えるべきものです。

楽しいことは仕事以外のところにあって、働くのはお金のためと割り切っている。周りにはそんな人が多かったし、私ももちろんそうでした。

今だったら「ここからマルチの勧誘に持っていくのかな?」と勘繰るところですが、15年前の話なのでそんなことは思いつきません。ただ、飲み会で若い女の子が何人かいた(私もですよ?)ので「はいはい、陽キャアピール乙www」くらいに思って聞き流していました(失礼!)。

胡散臭いとさえ思いながら心のバリケードを全開にしていたのですが、話を聞いているうちに考えが変わっていきました。

聞いてると、話の内容に一貫性があってブレがないんですよね。

どうもこの人は本当にそう思っているらしいということが私にも薄々伝わってきました。

その人の話を聞いているうちに、気が付いたら口に出していました。

「私は仕事が楽しいとか思ったことないです。だからそんな風に考えられる人がすごく羨ましいし……私とは違う種類の生き物なんだなって思いますね」

与えられた仕事をうまくこなすことさえ出来ないのに、「仕事が楽しい」と思えることは一生ないと思う。確か、そんなことを言っていたと思います。

いつも愛想笑いと当たり障りのない会話だけだった私がこんな風にぽろっと本音が出てきたのも、「どうせ後の事なんか考えなくていい。どうなったっていい」と自暴自棄になっていた時だったからかもしれません。

合わない歯車と思考のタガ

そんな私にその人の言った言葉が今も耳に焼きついています。

「仕事って与えられるだけじゃなくて自分でつくることもできるんだよ」

思考のタガを外して考えてごらん」

「ヤモリちゃんにもできると思うよ。話しててそう思う」

「仕事を創る」という発想はそれまでの私にはないものでした。

正直に言えば、この時点でその意味するところがはっきりと分かっていたわけではありません。でも、社会という仕組みに歯車のようにぴったりとハマってくるくると回って見せる、それだけが生きる術だと思っていたところに、真っ白なキャンバスが突如として現れた気がしました。

思考のタガを外す。

仕事とは辛く苦しく生きるためには生涯続くものなのだというイメージが、もしかしたら単なる私の思い込みかもしれない。他の解釈の仕方があるのかもしれない。

そういう疑いを最初に持たせてくれたのが、間違いなくこの時だったと思います。

それから15年後の今、フリーランスとして私は独立しました。

今はまだ業務委託が中心ですが、与えられた仕事を卒業してこの先50年でどんな仕事を創り出していけるだろう? そんなことを考えながらこのブログを書いています。

私の中の独立という種に水を注いでくれたその人に、心から感謝いたします。

続きます。

次回:3500万円が貯まるまで⑥「無職が社会復帰しようとするとこうなる」

あとがき

仕事って辛いイメージがあると思うんですけど、それって本当は労働が嫌なだけなんじゃないかと思うんですよ。

労働……生活や消費のために仕方なく行われる生産活動。

仕事……価値を生み出すこと、創造すること。

例えば、餓死しないためにご飯を作るのは労働だけど、誰かを喜ばせるために美味しい料理を作りたいと思ったらそれは仕事になる。みたいな。

労働が嫌いな人は多いけど、仕事が嫌いな人はあまりいない気がします。

以上、ヤモリでした。

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コメント

  1. yumenoko より:

    働くことは本来楽しいですよね。
    嫌になる理由は、概ね「人間関係」に起因しているかな。

  2. TF より:

    >>労働……生活や消費のために仕方なく行われる生産活動。
    仕事……価値を生み出すこと、創造すること。
    これはアーレントの3類型に近い考え方かもしれませんね。
    「人間の条件」でお馴染みの「労働」「仕事」「活動」の3類型です。
    セミリタイア族にとって「労働」は論外、かといって「仕事」だけでも何かが足らない感じだと思います。
    ですので、ここに「活動」の概念を加えると人生に得心が行くかもしれません。
    一種の自己実現みたいなもので、ヤモリさんがブログをやってるのも一つの「活動」ですね^^

  3. ヤモリ より:

    >ゆめのさん
    そう思いますね。
    ちなみに退職理由のベスト3は給与が安い、人間関係、長時間労働だそうです。やりがいだけじゃ続けていけない……
    >TFさん
    おっしゃる通りハンナ・アーレントです。
    私が最初にこの概念を知ったのは別の本でしたが、後になってこれのことを言っていたんだなあと思いました。
    記事の中では「フリーランスになって仕事を創る」と書きましたが、被雇用者であっても会社員として「仕事」や「活動」をされている方もいますね。

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